ゲヘナ〜死の生ける場所〜

「ゲヘナ〜死の生ける場所〜」ができるまで

「ゲヘナ〜死の生ける場所〜」New York Sci-Fi Film Festival Horror Feature部門 作品賞受賞

いつかハリウッドで自分の映画を監督したい。
そのような夢を持ってハリウッドでのSFX Make-up FXの仕事の傍ら、コツコツと2003年あたりから準備をしてきました。
ただ監督になりたいというだけでは何も始まりません。長編映画を作るようなお金を持っているわけではないので、その時にできることといえば脚本を書くことと、自力で短編を作ることくらいでした。
数年かけて3本の短編を作り、このゲヘナ~死の生ける場所~の脚本はトータルで7年くらいかかったと思います。

いざ脚本ができても、それをサポートとしてくれる人はいません。
長い間、たった一人で孤独な戦いを続けておりました。
何度も諦めかけたこともありました。

そして監督になる決心をして実際に行動を起こしてから10年目のこと。一つの大きな転機が訪れました。

それはキックスターターというクラウドファンディングのシステムで、知り合いが38万ドル(4,000万円以上)を自分の映画のために集めたのを目の当たりにしたのです。

その瞬間私は「これだ!」と思いました。今までは脚本とアートワークをプロデューサーなどに渡して返事を待つ、ということの繰り返しだったのですが、今まで長編を作ったことがない自分に任せようという宝くじに当たる様なことはありませんでした。

自分で資金を集められれば自分で映画が作れる。
そう思った私は早速行動を開始しました。

知り合いのダグジョーンズ氏に連絡して、不気味な老人役としてキックスターターに協力して欲しい旨を伝え、彼に演じてもらう不気味な老人のメイクとパペットの制作を始めました。

●ダグジョーンズパペットメイキング映像

そしてキックスターター用に撮影するビデオの準備とは別に、これはこんな映画になるぞ!というハイクオリティのビデオの撮影もしました。
完成したビデオはこちら
当初考えていたオープニングシーンです

続きを見たかったら投資してね。という感じにしました。

そしてキックスターターの成功例を研究し、どのようにプレゼンするかを勉強して、やると決心してから出すまでに1年かかりました。

そしていよいよ発表したところ、開始したその日に1万ドル以上(100万円)集まるなど好調なスタートを切ったのですが、何しろたった一人で問い合わせの返答とか定期的な宣伝とかすべてのあらゆることをを行っていたので、膨大な量の反応に対応することができずに失敗に終わりました。
目標金額25万ドル(3000万円くらい)に対して集まったお金は5万3000ドル(600万円くらい)で、目標額に達しないと課金されない仕組みなので、このチャレンジは大失敗となりました。

失敗したキックスターターのページです。

GEHENNA - 失敗した最初のキックスターターのページ

しばらく悶々としていましたが、このキャンペーン中に来た連絡の中からいい感じのマーケティングの人と知り合うことができました。

たとえ失敗したとしても、行動を起こせばそこから何かがつかめます。少なくとも自分はそう信じて行動しています。

そしてそのマーケティングの人のもと、6ヶ月後に再チャレンジをしたのです。
もう次に失敗したら終わりです。

この再チャレンジはとても勇気がいるものでした。

背水の陣の覚悟で臨み、キャンペーン中は考え得るあらゆることをしました。
話題を作るために数々の面白いビデオを制作したりもしました。

ホラー映画のための資金集めでしたが、作ったビデオは9割はギャグ満載のコメディーです。
私はホラーもコメディーも、お客さんを楽しませるということでは同じことと考えております。
とても面白いので是非とも見てみてください。
幾つかピックアップして、面白ビデオを紹介したいと思います。

●すもうジョーンズ

もしお金が集まらなかった時のために、監督はダグ・ジョーンズの代わりに、もっと安い「すもうジョーンズ」を雇うことにしたのだが……。

●侍

キックスターターの成功のために侍のような強さを見せる監督であるが……。

●病気

キックスターターが大変すぎて遊び呆けて怪しい病気をもらってしまった監督の話。

●出資者です

キックスターターに投資するとこんなにお得!と説明する中、監督の様子が何やらおかしい……。

●最後

キックスターターが無事に成功した事実を知らなかった監督はある行動に出ることに。

などなどこのようなエンタメビデオを作って頑張って盛り上げていきました。
そしてその甲斐もあってか、締め切り5日ほど前に、どうにか目標を達成することができたのです。
2回目は目標金額22万ドルに対し、24万ドル集まりました。(3000万円近く)
そのような苦労をしてどうにか資金を集め、この映画を製作することができました。

成功したキックスターターのページ

GEHENNA - 失敗した最初のキックスターターのページ

そして今年2018年の5月4日に、アメリカ10都市の映画館で上映されるという無名のインディー映画としては快挙を成し遂げることができ、そしていよいよ7月30日より東京で公開されることとなりました。

この映画はただの映画ではなく、夢を実現させた一人の男の軌跡でもあります。

皆様には単に映画を楽しんでもらうだけでなく、その映画を公開するに至るまでの、一人の男の夢の結果として捉えてもらえると嬉しいです。

そしてそのあとに続くトークショーでは、自分の知る、夢を持って生きている人たちを厳選して集めました。
我々みんなまだまだ未熟ですが、今までの自分たちの生き方を振り返り、観に来てくれた人たちに元気と希望を与えられたらと思っております。

是非ともこの夏、皆様方とユーロライブでお会いできたらと思います!